トレッキング天国のニュージーランド。
ミルフォードトラックやトンガリロ・アルパイン・クロッシングは有名ですが、ほかにもおすすめしたいトラックはたくさんあります!
ここでは、テアナウからアクセス抜群で、ミルフォードを訪れるついでにもおすすめできるケプラートラック(Kepler Track)を紹介します。
フィヨルドランド国立公園内、グレートウォークの一つ
南島の南西端のフィヨルドランド

ケプラートラックは、ニュージーランド南島の南西、フィヨルドランド国立公園(Fiordland National Park)に属します。
ユネスコ世界自然遺産にも登録されているニュージーランド最大の国立公園(12,500 km2)。氷河の浸食によりできた入り組んだ入江(フィヨルド)が特徴です。
テアナウのほとりからスタート

スタート地点は、テアナウの町からほど近く、フィヨルドランド国立公園内にあるグレートウォークの中では、最もアクセスしやすいトラックです。
テアナウ(Te Anau)はクイーンズタウンから車で2時間ほどです。
全長60㎞、3泊4日のループコース

ケプラートラックは全長60kmを3泊4日かけて歩くループコース。
画像右にあるKepler Track Car Parkから時計回りにぐるっと一周するコースです。
デイトレッキングでの参加も可能
コースの一部を歩くデイトレッキングでの参加も可能です。
テアナウの町からスタートして湖沿いのみ歩くなど、いくつか選択肢はあります。ケプラートラックのハイライトを歩くデイハイクコースを以下で紹介します。
デイトレッキングの魅力と難易度
コース設計は柔軟に
日帰りハイクは、日帰り用の特定ルートがあるわけではなく、3泊4日で歩くコースの一部を歩きます。コースの前半部分を往復して歩くコースが人気です。
どこまで進むかはトレッカー次第なので、見どころや自身の体力に合わせて選びます。
私は、Te AnauにあるDOCが運営するビジターセンターでおすすめされた定番日帰りコースを歩くことにしました。
平坦なコースは短縮して、見どころはしかっり抑える良いとこどりコースです!
日帰りハイクおすすめコース
ケプラートラックでの定番日帰りハイクは、ケプラートラックの前半部分のコースを往復します。最初の平坦なウォークを省略して、きつい登りの道を歩き、同じ道を戻ってきます。
一つの基点となるのが、Luxmore Hut。Brod BayからスタートしてLuxmore Hutまでの往復を歩きます。
ケプラートラックのコースの開始地点であるKepler Track Car Parkからスタートすることもできますが、コースをショートカットしてTe Anauの町から水上タクシーを利用。森林エリアへの入り口Brod Bay Campsiteまで渡って、そこからトレッキングをスタートします。帰りも水上タクシーを利用します。
正規のコースをとると、Te Anauからカーパークまでバスもしくは車で行き、そこからさらに1時間半ほど歩いてBrod Bayに到着します。湖沿いののどかな平坦コースを省略しています。
ケプラートラックの一番の見どころがつまったBrod BayからLuxmore Hutまでの往復コース。 往復5-6時間、17kmです。水上タクシーの時間のため、夕方前(私の場合は午後4時半)にはBrod Bayに戻っている必要があります。余裕をもって朝早めの出発をおすすめします。
体力に合わせてさらに先に進むことも
Luxumore Hutが一つの基準になりますが、もちろんさらに先に進むことも可能です。
もうしばらく進んで、山頂まで登ってから折り返すのもおすすめ。私はここまで歩きました。
日帰りで歩くケプラートラックの前半部分は、美しい景色を楽しめますが、登りがきつく、少々難易度の高いコースでもあります。
私は気力で頂上まで登り切りましたが、歩き終えたころには足が震えていました。体力に合わせて無理をしないコースにすることが大事です。
ケプラートラックの難易度
ケプラートラックは高低差もあり、厳しい気候条件が予想されるコースのため、長い時間続けて登り道を歩いていく気力と体力が必要です。
ただ、熟練のトレッカーにしか向かないコースというわけではなく、事前の準備さえできているなら誰でも歩ける中級レベルのコースです。
特にデイハイクの場合は、自分の体力に合わせてどこまで歩くか決められるため、気軽に参加しやすいです。
日帰りハイクの全貌
ブッシュの登りと森林限界
Brod BayからLuxmore Hutまでは8.2kmほど、急な登りが続きます。時間にして3,4時間程度。
森林限界を越えると、景色が開け、パノラマの景色が目の前に。風をまともに受けるので、身体が冷えやすく、特に雨が降っている際は要注意です。
森林限界からLuxmore Hutまでは45分ほどで、この間は比較的平坦です。Luxmore Hutは、3泊4日コースで1日目の宿泊施設となる場所です。
ここで休憩をとって、先に進みます。
さらに続く登り(Luxmore Hutから)
パノラマビューが続くなんとも壮大なコースですが、Luxmore Hutを過ぎても折り返しまでほぼずっと上りです。
標高が上がるにしたがって、寒さが増し、さらに丘の峰の上を歩いていくようなコースのため、風をまともに受けます。天候にもよると思いますが、体感温度はかなり下がります。
私が歩いた際は途中から雪が降ってきて吹雪の中を歩きました。夏の期間でもこのあたりは雪が降ることも珍しくないようです。山頂では季節は冬です。
サミットを目指す

ケプラートラックの2日目のコースの途中にLuxmore山のサミット(頂上)が現れます。ここから少しコースを外れて頂上を目指します。
晴れた日にはサミットから美しい景色が見渡せるようです。私が登った際は残念ながら真っ白で何も見えませんでした。。

頂上までの道のりは、ごろごろした岩場を登っていく必要があり、雪も降っていたためか、不安定な足場が続きました。上の写真には10分とありますが、この天候では、倍くらいの時間がかかったように思います。
洞窟もあり
Luxmore Hutの近くに洞窟(Luxmore Cave)があります。
Luxmore Hutから10分、往復で20分の距離なので、時間に余裕がある方はぜひ!
一日で四季を味わえる
ニュージーランドの山の気候は、一日に四季があるとも言われますが、ケプラートラックはその顕著な一例です。
大きく変動する気候に対応しながら、楽しんで歩くコースができればばっちりです!
出発地は湖沿いのビーチ

Brod Bayはビーチ沿いで、とても穏やかで、水辺でのんびりとピクニックを楽しめるような場所です。
ここからトレッキングを開始し、登っていくとだんだんと身体が温まります。汗をかくくらいで、半袖になって登っている人がほとんどでした。
ブッシュを越えると風が強くなる
森林限界を越えると風を遮っていた木々がなくなるため、急に風が吹きつけます。体感温度が一気に下がるため要注意。急いで上着を羽織ります。
吹雪の道を歩く

ここから先は標高も高くなっているため、気温は低く、天候も悪ければ、雨風や雪との闘いです。夏の期間でも雪が降ることは珍しくないそう。
雪道にも備えた装備を
ケプラートラックでは、多様な景色を望めるだけあって、気候も大きく変動します。どんな状況にも対応できる備えが必要です。
頂上付近の吹雪は珍しくない
出発時のテアナウが暖かく、晴れていたとしても油断はできません。雪が降っても耐えられるだけの暖かい恰好の準備が必要です。
ただし、森林エリアの登りでは暑く感じ、汗をかくことが予想されるため、中には半袖など、着脱を想定した着こなしが便利です。
コットンは、汗を吸収してくれますが、速乾性が低く身体が冷えてしまうためトレッキングには不向きです。
保温性や速乾性・通気性に優れたスポーツ用のメリノサーマルがおすすめです。
少し値は張りますが、ニュージーランドのアウトドアショップやお土産売り場でもよく売られています。
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Le Bent レディース Le Base Layer 200 メリノウールスキー、ランニングベースレイヤークルーネック長袖シャツ M ブラック
ウォータープルーフ、ウィンドプルーフが理想
山の雨に備えるのはもちろん、風もブロックしてくれるものがあれば理想です。
ウォータープルーフはできるだけいいものを。上着だけでなく、パンツもあわせて用意するのが無難です。
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十分な水と食料
水と食料は通常のトレッキングコースのとおり準備が必要です。マルチデイで歩くのであれば食料は余裕をもって持って行きます。まれに、途中でコースが閉鎖されて延泊や逆戻りしなければならないこともあるようです。
ケプラートラック、デイトレッキングするには
拠点はテアナウが便利
水上タクシーは、テアナウの町のすぐ近くから出発するので、小さいテアナウの町ではどこに宿泊していてもアクセス良しです。
中でもおすすめは美しいテアナウ湖のほとり。宿泊施設は、ホテルやビラ、ホリデーパークやバックパッカーまで揃います。
水上タクシーを予約
宿泊施設やDOC(ビジターセンター)で確認してみましょう。私は宿泊していたホステルに頼んで電話してもらいました。
片道NZ$25と高めですが、湖沿いを歩いていくよりは大幅にコースを縮小できますし、コース開始地点の駐車場まで移動しなくてもいいのはとても楽です。
駐車場に車を停めた場合には、当然ですが帰りもその場所まで歩く必要があり、時間にして往復3時間の距離です。
水上タクシーの帰りの時間は決まっているので、乗り遅れないよう注意が必要です。
トレッカーのためのハイクコース
このケプラートラックは、トレッカーが景色を楽しめるよう作られたトレッキングコースだそうです。
そうなだけあってフィヨルドランド国立公園の多様な景色をくまなく楽しめるようになっています。道中では高い確率で、ニュージーランド南島固有種のオウムの一種、キア(Kea)に出くわします。ぜひ見つけてみてください。