前回はブラジル、リオデジャネイロの治安情報について紹介しました。
日本だけでなく、ヨーロッパやアジアなどのほかの旅行地と比べても治安が決してよくないことはわかっていただけたと思います。
今回は、ブラジル滞在中に危険を回避するために守るべき10のルールを紹介します。
1.Tシャツ、短パンの軽装で出かけよう
どんな格好をしていようと、地元に人には旅行者だとわかるそうですが、着飾った格好をしていると、「警戒心のない旅行者」や単純に「お金を持っている」と見られて狙われやすくなります。
恰好は、Tシャツ(タンクトップ)に短パンがベストです。
アクセサリー類、特に貴金属は身につけません。装飾品や腕時計は、それ自体を奪われる可能性があるだけではなく、お金を持っていると思われ窃盗のターゲットにされやすくなります。
ただし、アウトドア系の腕時計は問題ないでしょう。
時間確認にスマホを取り出すより、腕時計をしているほうが断然安全です。
ターゲットにならないポイントは、以下の2つです。・お金を持っていないように見せる
・警戒心を持っていることを示す
お金や高価なものを持っていそうな相手、そして警戒心を持った相手より、油断している相手を狙います。ターゲットになってしまうと、ほとんどの場合、被害は避けられないのが現状です。
2.外出時は手ぶらが一番
これは究極のように聞こえるかもしれませんが、カバンは持たないほうがいいです。
手ぶらなので、まずカバンと狙った窃盗対象として狙われることはありません。
そして、カバンを持っていないと、「カバンを盗られないように気を付けないといけない」という緊張感から少しでも解放されるため、とても楽です。
常に気を張らないといけない状況で、不安要因が一つでも減るのは大きいです。
カバンがなければ、荷物は必然的に最小限になります。持って行けるものは、小さな財布とスマホ、プラスでコンパクトカメラくらいです。できれば、スマホもカメラも持って行かないほうがいいくらいです。
私は、財布をズボンの前ポケットに。スマホはズボンの中(ポケットではなく、下着とズボンの間)、カメラを持つときは、前ポケットかズボンの中に入れていました。ズボンは、ペラペラの薄い生地のものではなく、デニムなどのしっかりした生地のズボンがいいです。
もしくは、ポケットがしっかりした機能的なボトムスだと便利です。こんな感じの、ファスナー付きポケットがあるとなお良し。
マネーベルトを使ったり、チェーンにつなげる、首からひもで下げるなどしたうえで、外から見えないようTシャツの中などにしまっておくのも効果的だと思います。
女性だと、ブラジャーの中に入れておくという手もありです。
肌身離さずの言葉どおり、体に近いところにキープしておきます。
どうしても大きめの荷物を持ち歩く必がある場合は、安っぽく見えるカバンを選びます。
布のトートバッグや巾着型のナップサックがおすすめ。
荷物は容量いっぱいまで入れず、中身は容量の半分以下がいいです。
トートバッグは、カバンの奥まで手が入りにくい、ナップサックは背負っていると蓋がしっかり閉まるのでスリ対策にも有効。ショルダーバッグは、紐が長いものを選び、斜め掛けする。どちらも中身がわかりにくいことと高価なものが入っているように見えません。
カバンを持っていたとしても、財布やスマホ等の貴重品は、マネーベルトやズボンの中などのほうが安全です。
3.日本語や英語は、旅行者アピールだと考えよう
日本語や英語など、ローカルが理解できない言葉で話していると、旅行者であることが明白です。
「旅行者=お金を持っている」ですので、ターゲットにされる可能性が高まります。
こういうと一切会話ができないように聞こえますが、大通りや観光スポットなど比較的安全な場所であれば特に気にすることはありません。
夜道や裏通りを歩く場合には、言葉は発さないほうが無難です。
特に夜道では、暗くて見た目では旅行者とわからなくても、言葉で即座にわかってしまいます。
日が暮れた後の危険エリアでは、ポルトガル語であっても人の気を引かないために、無言のほうがいいです。
4.スマホは恰好の標的と心得る
スマートフォンはブラジルでは、「イージーマネー」といわれています。
関税が高く設定されており、欧米やアジアより販売価格がかなり高いゆえ、
国内では高値で取引され、転売するといいお金になるのです。
特にiPhoneは大人気で、古い型も含め非常に高値で売れるため、恰好の標的です。
ケースも付けずに、iPhoneのロゴをさげて歩き回るのだけはやめましょう。
とはいっても、スマホ全般が狙われます。
盗られてもいいように、安い機種のスマホを持っていくのも一つの手です。
最も狙われやすい、路上での使用は控えます。路上でスマホ操作をしながら歩くのは、危険です。
外でスマホを使う必要がある場合は、近くの店舗などに入って利用し、しっかり安全な場所にしまってから店舗の外に出ます。
また、レストランなどの店内でも机の上に置くことや、バス内でのスマホ操作なども控えたほうがいいです。
人前での利用は極力避けましょう。
5.危険エリアは徹底的に避ける
出かける前に、危険なエリアはしっかり把握しておきます。
安全なエリアと危険なエリアが隣り合わせなこともよくあります。安全な場所にいると思っていても、いつの間にか危険なエリアに立ち入ってしまうということがあるので、注意が必要です。
特にファベーラは、細い道が入り組むようになっており、迷いやすくなっていて、一度は入ってしまうと出られなくなってしまうかもしれません。
どこに行くにしても、道に迷わないよう地図を確認しておくなどして準備しておきましょう。
宿泊場所もしっかり考慮します。
宿の周辺が危険では、まともに歩き回ることはできません。多くのホステルやホテルは観光客の多い比較的安全なエリアにありますが、特にAirbnbを使う場合は立地に注意。
おすすめは、地下鉄駅の近く。
6.夜は、昼間の10倍警戒する
犯罪発生率は、夕方以降、夜の間が非常に高いです。
夜の不要な外出は避けましょう。特に10時以降。
ただし、パーティ大国のブラジルでは、夜の外出を完全に控えることは難しいかもしれません。特にカーニバル開催時は、夜から朝にかけて行われるカーニバルを外出せずに楽しむことは不可能でしょう。
その場合は、夜の街は危険だとしっかり心得たうえで、できる限り室内(レストランやバー、クラブ)に留まること。ビーチなどの野外パーティであれば、常にたくさんの人が周囲にいることを確認して、人が減ってくる前には帰路につきます。
時間帯や状況によって、タクシーやバス、電車を使いわけましょう。
地下鉄が動く時間であれば、地下鉄でも問題ないかと思いますが、最寄り駅から宿まではタクシー移動も検討します。
路上を歩く時間は最小限に が原則です。遅い時間はタクシーが安全です。
また、タクシー降車時は狙われやすいので注意。支払いは車内で済ませ、降車後はすぐに建物内に入ります。
(リオのカーニバル攻略については、別記事で紹介します。)
7.お金は分散して、被害を小さくする
お金は小分けに分散することで、被害を小さくすることができます。
強盗に遭った場合、お金を要求されることになりますが、お金やカードをひとまとめにしているとそれをすべて失うことになります。
小分けにして別々場所に保管し、被害を小さく抑えましょう。
ただし、差し出すお金があまりに小さすぎると強盗犯の怒りを買うことがあります。
いくらが適切かはわかりませんが、コインのみではなくお札数枚程度はあったほうがいいと思います。
8.事前リサーチで犯罪傾向を知る
事前に犯罪傾向や危険エリアを知ることで、未然に防げることがあります。
私は、スキミング被害が多発していることを知らなかったので、それについて対策はもちろん、何の注意も払っていませんでした。
安全情報は、外務省海外安全ホームページから確認できます。
邦人の被害情報は、随時更新されています。
9.ローカルと仲良くなろう
現地の状況をよくわかっているのは、ローカルの人たちです。
彼らは、危険な場所や時間帯を知っていて、それを避けて行動しています。
話す機会があれば、ぜひ安全情報を教えてもらいましょう。
できれば仲良くなって、一緒に行動すれば心強いです!
ホステルに滞在していると、ブラジル国内からの旅行者もよく見かけます。
しかし、突然ローカルに話しかけるのは難しいかもしれません。言語も通じないかもしれません。まずは、宿でスタッフに話しかけてみるのがいいです。
- 付近は一人で歩き回っても大丈夫?
- 夜は?
- 近くに危険なエリアはない?
これくらいは、着いたらすぐに確認しておくべきことですが、多少でも交流しておくことで、必要なときに助けを求めやすくなります。
10.襲われたら諦める。抵抗は禁物。
最後に最も大切なことですが、襲われたら諦めましょう。
いくら対策をしていても、被害に遭うことはあります。
お金を要求されたら、素直に差し出します。間違っても抵抗してはいけません。
また、窃盗にあっても犯人を追いかけるのは危険です。
ブラジルでは、小さな被害があっという間に大きな被害へと発展することがあります。
窃盗やひったくりを行う彼らは、何をしでかすかわかりません。
抵抗すると逆上して、殺されてしまうことさえあります。
まとめ
これらを守れば完璧に安全というわけではありません。
しかし、これらのルールを心得ていることで、少しでも緊張感を減らせたり、より安全な滞在へと結びつくはずです。
安全で楽しいブラジル滞在となることを願っています。